尾を噛む蛇
プロローグ
広い研究所の一角。僕は一人横になっていた。静寂のなか、コツコツとハイヒールの音がこちらへ向かってくる。ウィーンと頑丈そうな扉が開くと、母が室内に入ってきた。
その手からは、古ぼけた紙をくしゃりと握るような音がした。

「メグル。」

母は顔の近くにしゃがみこんで、僕の名前を呼んだ。

「あなたが、これからどれだけ眠るか分からないけど…どうか、あなたは生き残って。この星はもうダメなの。」

そう言って泣きながら僕の頭を撫でる。
機械音がして、周りは冷たい空気で満たされた。暗くなって、寒くなって、僕は深い深い眠りについた。
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