研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
「勝田さんの方が数倍いい女だよ」

吐き捨てられた一言が耳に届く。

「知ってるよ、勝田エリーの方が数百倍いい女だよ」

どんどん離れていく理仁の背中に言葉を投げつけた。

理仁は私の言葉を無視するように、無言で着替え始める。

私の足は泥に埋もれたように動かない。

辛い。

理仁は着替えを終えると、さっさと遊歩道に消えた。

私は一人、沼に置き去りになった。

最悪なフィールドワーク。

これからも毎日毎日、研究室で顔を合わせないといけないのに。

なんでこんなに恋愛が下手くそなんだろう。
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