研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜
「ねえ」

理仁に久しぶりに話しかけられたのはクリスマスの翌日12月26日だった。

驚いて思わず笑顔が固まってしまった。

「これチェックしてくれない?」

そう言って、理仁が一人でまとめてるプレゼン用資料を渡してきた。

驚きを隠せないまま受け取る。

「分かりにくいとか、こう書いたらいいとか、そういうのあったら言ってほしいんだけど」

理仁も少し、表情が硬い。

「うん、あ、私も」

そう言って呼び止める。

「これあとはグラフ入れるくらいだから、文章だけ全体的に見てほしいな」

頑張って笑顔を作ってみた。
少し理仁も笑う。

「うん、見とく」

久々に見た笑顔に、今までガッチガチに強張ってた心が溶け出す。

良かった。

話せた。

ずっとずっと話せないままなんじゃないかと、完全に断ち切られてしまったんじゃないかと思った。

良かった。

恋が実ってほしいなんて贅沢は言いません。

少しずつ、前の状態に戻れますように。

私の心がしっかりと前を向いた。
< 69 / 108 >

この作品をシェア

pagetop