研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜

15.エピローグ

3月になった。

理仁はクアンタムに応募するため論文の書き直し。

私は新しい論文のテーマ相談。

忙しい日々がやっと少しだけひと段落して、春が確実に近づいてきている。

李さんとガルシアさんは春休みを利用して故郷に帰った。

静かな研究室。

教授との面談から戻った私を見て、理仁が口を開いた。

「教授、なんだって?」
「範囲が広過ぎるって」

またダメだった。

やっぱり、私一人だと研究はそんなに好きじゃないかもしれない。

理仁が私を見て笑う。

「大丈夫?卒業できるの?」

言葉は凶器だ。

「できなかったらどうしよう」

椅子に座って天を仰ぐ。

理仁が立ち上がった。
私のところに来て励ましてくれるのかと思いきや、ドアの方に向かう。

「俺も相談してこよー」

そう言ってフラリと教授室に消える。

もうすぐドクター2年。

一難去って、また一難。
私の院生活は、無事に終えられるのでしょうか。
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