身を引くはずが、一途な御曹司はママと息子を溺愛して離さない

 その後、配属されたのが店舗運営部第三営業課。

 この部署では、セリザワブライダルが全国展開しているドレスショップの運営管理を行っていて、私は営業担当の社員を補助する事務作業を担当することになった。

 主な業務内容はパソコンでの入力作業。デザイナーになるのが夢だった私はこれまでファッションやデザインのことしか学んでこなかったので、パソコンの知識はほとんどなかった。なんとか電源を付けられるレベルだ。

 それなのにパソコン作業が主な部署に配属されてしまったことに不安が大きく、それと同時に心にぽっかりと穴が開いたような虚無感を味わっていた。

 ドレスショップの運営管理をしている第三営業課でも一応、ドレスとの関りはあるものの、私がやりたいのはドレスのデザイン。一度は憧れの衣装事業部に配属されたものの、わずか一年で他部署へ飛ばされてしまったことにすっかり落ち込んでいた。

 それでも仕事は仕事だ。慣れない事務作業に四苦八苦する日々だけれど、与えられた仕事は自分なりに精一杯こなしていた。

< 41 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop