内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 もちろん彼女が怒るのは当然だ。
 遊びだったのかと言われてもおかしくはない状況だった。
 だとしてもまったく大雅の言い分を聞こうともしない祐奈のあの頑なな態度。
 今から思えば、あれはどこか彼女らしくなかったように思う。
 ——子供のことと、なにか関係があるのだろうか。
 大雅はデスクの上のタブレットを手に取って、素早くスケジュールを起動させる。
 次に大雅が宇月温泉へ行く日は、二週間後。
 今日は時間の関係上、現地視察のみだったから、次は朝早くから向こうへ行き、宇月温泉の名所をまわることになっている。
 案内役は、祐奈だ。
 大雅は椅子に腰を下ろし、くるりと後ろを振り返る。
 東京タワーが雨の街に輝いていた。
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