内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 大好きなストロベリーのアイスクリームを食べて、少し綻んだ桜色の口元。
 ワサビを擦る白くて細い綺麗な手。
 無邪気に滝つぼを覗き込もうとする危なっかしいところも、なにもかもが大雅の心を引きつけた。
 大雅の彼女に対する気持ちは、二年前となにひとつ変わってはいなかったのだと思い知らされる旅だった。
 ……調査など、無意味だと大雅は思う。
 祐奈から、彼女の口から出る言葉だけが、大雅にとっての真実なのだ。
 その真実がどんなものでも、たとえなにかを失うことになろうとも、すべてを受け止める覚悟はある。
——もう二度と祐奈を離さない。
 そう決意して、大雅は右の拳を握りしめた。
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