僕の彼女はヤンデレです
彼女の未知なる料理に挑戦します
食事も手に付かないまま時間が過ぎて行く。


ミチルは無償の愛を受けた。
でも、俺は__


グルグルと回る思考回路から、逃れる事も出来ず苦しくなった。


「陸。もう食べないの?」
「う、ん」
「口に合わない」


実際、俺にとっては素朴過ぎるし味に慣れない。


「不味い訳じゃないんだ……」
「食べ慣れたものを食べたい感じ!?」


そうだ。
その通りだ!!!


「何で、分かった!!」
「だって、私も同じだもん……。おばあちゃんの味が恋しくて堪らなかった……。
そうだ!!!」
「うん?」
「今から、カップラーメン買いに行こう!!」


カップラーメンか。

食べたくない程食わされたのに、懐かしい。


「行く!!」


二人ではしゃぎながら玄関に走ると靴を履いた。


ミチルが気遣ってくれる事が凄く嬉しい。
一緒にはしゃぐ事が楽しくて仕方が無い。


外に出たら、真っ暗闇の中所々街頭が有る景色の中を二人はしゃぎながら駆けてゆく。


こんなに、楽しい事が有るなんてミチルに会わなきゃ知らなかった。


「陸、、、待って……」


息を切らしたミチルが道端で座り込んだから、迎えに戻って手を差し伸ばす。

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