僕の彼女はヤンデレです
「違う……。
俺は何処にも行かないから、お別れする時は俺かミチルが死ぬ時。
でも、俺の方が若いからさ……」
「私が先に死ぬね……」

ミチルは【死】の話をしているのに、心底幸せそうだ。

「そう……。ミチルが先に死ぬ……」
「そっかぁ。それ、良いな……。
陸に看取られて死ねたら幸せだろうなぁ……」

目を細めたミチルの髪を撫でる。

ミチルに先に死なれたら、俺は寂しい。

でも、幸せそうに生涯を全うしたミチルを見守りたい。

産まれて来たのに両親に捨てられたミチルだからこそ、俺や将来産まれてくる子供に看取られて幸せに息を引き取っていく。

そんな、未来をあげたい。

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