37℃のグラビティ
「あっ」


いきなり声をあげた新海に、アタシの肩がビクッと揺れる。


「今、流れ星見た」


興奮した様子の新海に、アタシも思わず空を見上げた。


「でもこんだけ星があふれてたら、流れ星のひとつやふたつ見れるよな」


愛おしそうな眼差しを遠くの空へと向けたまま、新海が呟く。


「流れ星なんて、アタシ見た事ない」


「俺も初めて見た」


「新海だけズルイ」


「ずっと空見てたら、そのうちまた流れるんじゃね?」


「そんな都合よく……あっ」


アタシの瞳の中、いきなり星の光がビュンて流れて、一瞬にして消えた。


「今の見た!? 流れ星!!」


初めて見た流れ星に、思わず興奮するアタシを物珍しそうに見て、新海が小さく吹き出して笑う。


「流れ星もだけど、北川が興奮してんの初めて見た」


言われて、急に恥ずかしくなって、それを誤魔化す様に、アタシは思いっきり口をへの字に曲げると新海からツンと顔をそむけた。
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