37℃のグラビティ
「お前、これからどうすんの?」


そんな新海の問い掛けに、我に返る。


「直接家まで会いに行こうとは、思ってるんだけど……新海くんは?」


「その辺でテキトーに時間潰しとく。そっちが終わったら、LINEでもして」


「うん。わかった」


かれこれ3時間くらい居座ったファミレスを出た後、新海とは駅前で別れて、アタシはひとり、寛樹の家に向かった。


いきなり押し掛けるのもどうかと思いながら、電話をかけてそれを拒否されるのは、もっと嫌で……


結局こうして、寛樹の家に向かって歩いている。


そういえば、学校帰りに、よく寛樹の家に遊びに行ったっけ……


寛樹と二人、手を繋いで歩いた道をひとり歩きながら、いつの間にかアタシは、寛樹との日々を振り返っていた。


アタシが寛樹と出会ったのは、高校に入ってから。


高1の時、いつの間にか出来あがっていた仲のいい男女混合グループがあって、アタシや寛樹、そして梓も属していた。
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