37℃のグラビティ
episode1:Happy Birthday?
2時間目の英語の授業が終わった休み時間。


「アーヤ来た」という、いつもの女子の黄色い声に、緊張が走る。


昨日の今日で、いったいどんな顔して会えばいいのか……アタシはわからずにいた。


とは言っても、ここは学校。


動揺した態度なんて、見せるわけにはいかない。


とにかく平常心、平常心……


自己暗示をかけるように、心の中で呪文のように唱えた。


そっと向けた視線の先、新海はいつもの様に「アーヤスマイル」で笑う。


新海にとって昨日のことは、本当に些細な取るに足らない出来事なのに……


アタシひとり、動揺してバカみたい。


そんな自分自身に、この上ない腹立たしさを感じていた。
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