幼馴染みは、溺愛執事!?
うち専用ラウンジ――もとい応接室に向かっている。が……会話もなく、引きずられているだけだ。

「ちょっと!手、痛い!」

そろそろ手を放してほしいと告げると、

「これは失礼致しました」

そう言ってスッと放してくれた。
……なんかゴツゴツしてて、男の人って感じの手だったな。昔はわたくしより小さかったのに。

「ところでお嬢様。私と食事をとるのがそんなに嫌ですか?」

いきなり問われ、驚いて優雅を見上げる。

わたくしよりも背は高いはずなのに、捨てられた子犬に見上げられているよう。

「そ…んなことないわよ!驚いただけ!」

多分。意識してる訳じゃない、はずよ。

「そうですか。てっきり、朝のことで私を………」

「そんな訳ないでしょっ!」

「まだ何も言ってませんよ。何想像したんですか?」

………っ!この悪魔!
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