幼馴染みは、溺愛執事!?
学校につくと、ロータリーは、例によって混雑していた。

大抵の人が家の車で登校する、この学校のロータリーは、毎日がモーターショーか、スーパーカーショーのようだ。

順番が回ってきて、わたくしが降車すると、周りが騒然とする。しかし、気にも止めず、校舎へと歩いていく。

「あの美貌で、いろんな取引先の方々を誑かしているらしいですわ」 

「まあ。不潔な」

「いくら美しくてもそんなんじゃ、ね」

遠くから、陰口が聞こえる。

わたくしは、そんなことしていないのに。

堂々と正面から言えばいいのに。直接は言えないようなことなら、口に出さなければいいのに。

わたくしではなく、わたくしの家に怯えて。

見苦しい。

慣れたとはいえ、涙が溢れそうになる。

でも、ここで泣いたら、それこそあの人達の思う壺だ。

泣いてはいけない。できるだけ無表情で。

「大丈夫ですか?お嬢様。屋上に行きましょうか?」

「ええ…、そうね……」

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