手が届くその距離に
目が覚めたら朝になっていた

昨日疲れて寝たのかな

ガラッ

「おはよ。」

「おはよ。美緒ちゃん!」

高坂先生と湊人さんが来た

「調子はどう?」

あ!昨日の夜に酸素マスク外してくれたの。

「うん、元気だから早く退院したい」

そう言うと

「昨日言ったんだけどなー。聞いてなかったのか。もう一回言ってあげるか?」

そうドSな高坂先生だから

「いや、わかりました。」

と言った

それからいつものように聴診をし

「よし、今日と明日はな、傷の確認と手当をする。で、早ければ来週からリハビリをはじめて、頑張り次第で半年も経たずに退院ができるだろう。」

私はつい喜びが出て

「でもな。リハビリが普通の人の何倍も努力しないといけないし時間がかかる。
美緒ちゃんは右手が利き手だから、左手での練習もしなきゃいけない。
挫けてもいいが怠けたり諦めたりだけはしないように。じゃなきゃ、退院なんか先の話だからな。」

確かにそうだよね。

今は右手がないことに納得できないもん

「大丈夫だ。不安になることはないから。俺だって湊人だってここにいるスタッフは美緒ちゃんを最後までサポートしてやるから。だから、安心して嫌々言わないで受けろ。」

なんか、最後の言葉いらなくない?

「嫌々は、先生が嫌々してくるから「なんか言ったか?」

遮られてしまった

「いや、なんも。」

「そうか。じゃあー、10時に湊人が迎えに来るから治療室に来い。」

そう言って出て行った
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