FUZZY





たまにね、碧生くんが夢に出てくるんだ。妙にリアルで、目が覚めたら汗をかいていたり、下がジンジンと脈打っていたり。

夢の中での碧生くんも現実と同じように私のことを〝かわいい〟って甘やかすの。それがなんだか嬉しくて擽ったくて夢から覚めるのがもったいないって思うこともしばしば。


「欲求不満か、私は」

「瀬河ってそうなの?」

「うん、かもしれない……って、え、びっくりした。いきなり話しかけるのやめてくださいよ、樋井先輩!」

「あー、たしかにストロー噛んでるもんね」

「……(人の話、聞いてる?)」

「ストロー噛むのって欲求不満だから、らしいよ。俺の彼女が言ってた」


経理部のエース・樋井先輩は私の噛みまくって原型をとどめていないストローを指さしながらふっと鼻で笑った。

うーわ、さすが社内ナンバーワンのイケメン男なだけある。ちょっと笑っただけで先輩の周りに花とキラキラが舞ってるもん。


< 54 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop