LOVEPAIN⑥
「後、午前は鈴木さんが最後の患者さんなのですけど、
ご一緒に昼食でもどうですか?」


突然のその誘いに、座っている椅子から立ち上がるくらいに驚いた。


この仕事をしてから、男性に誘われる機会は増えたとは言え、
目の前のこの人は医者で、私は患者。


この先生の事を私は心酔するくらいに信用して何でも話していたが、
やはりこの人から見ても私はAV女優なのだろうか?


だから、そうやって下心を…。


「急に、こんな誘い迷惑ですよね。
ただ、海宝さんの事でお話したい事があって…」


海宝さん…?


ああ、ナツキの事か。


目の前の榊原先生の顔が深刻で、
頷いてしまった。


一瞬でも、この先生が私に対していかがわしい事を考えているなんて思った自分を、恥じた。

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