LOVEPAIN⑥
『じゃあ、もう電話切るけど』


「あ、うん」


私がそう言うと、電話が切れた。


ナツキは、マンションの部屋に居るのだろうか?


そう思い、マンションの方を見た。



私がそのままマンション横の路地から離れようとした時、
ナツキの住むマンションに入って行く人物を見て、戸惑ってしまった。


一瞬、着ている服装のイメージで違う人かと思ったけど、
それは榊原先生だった。


ナツキと同じマンションに住んでいる…って事はないだろうな。


“ーー僕は、海宝さんを思っています。
彼に対してはちゃんと医者と患者として接していますし、
そう思っています。ーー”


榊原先生のその言葉を思い出した。



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