LOVEPAIN⑥
成瀬の母
成瀬と芽衣子さんが別れた三日後。


私は雑誌の撮影と取材の仕事を終え、
そのまま成瀬と一緒に少し高めの中華料理屋へと来ていた。


それは…。


「お前にお願いが、ある」


芽衣子さんが去った喫茶店で、
成瀬は思い出したように私を見た。



「なんですか?
私に出来る事ならなんでも」


そう答えたのは、少なからず罪悪感から。


成瀬と芽衣子さんが別れた事に対して。


もしかしたら、いつか二人の関係はダメになっていたのかもしれないけど、
夕べ、私が倒れた事が、
そのきっかけになってしまった事はたしか。



「俺も、なっちゃんに会わせたい人がいるって言ってしまってて…」


成瀬が口にしたそのなっちゃんは、
成瀬の母親の事。


なんとなく、成瀬のそのお願いが分かってしまった。


「分かりました。
その成瀬さんの彼女の役、私で務まるのならば。
彼女と別れたって言って、お母さんの事心配させたくないんですよね?」


きっと、そういう事だろう。



「えっ、なんかお前飲み込み早いな。
まさにそうなんだが、任せて大丈夫か?」


不安そうなその表情。


「私、彼女の振りして相手の母親に会う事は初めてじゃないので、
大丈夫です!」


以前、私はナツキの彼女の振りをして、
ナツキの母親と会った。


その経験から、大丈夫だと思う。


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