LOVEPAIN⑥
「てめぇ、誰にもって、一体何人の男に配る気だ?」


「本命は、一人ですよ」


そう言った私の目に映るのは、篤だけ。


最近の私は、成瀬の事よりも、篤の事しか考えていない。


「まぁ、成瀬さんが傷心の今なら、
お前が上手く行く可能性あんじゃねぇかって思う。
だから、明日頑張れよ」


その言葉に、耳をふさいでしまいたくなる。


聞きたくない。



「篤さん、明日は仕事が終わったら真っ直ぐ帰って来ます?」


「まぁ。
今は付き合ってる女もいねぇし」


「なら、明日チョコレート用意して、この部屋に来ます」


勢いで、そう口にしてしまった。


もし、玉砕するならもうそれで構わない。


これ以上、篤の口から私に成瀬との事を応援するような言葉を、聞きたくないから。


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