LOVEPAIN⑥
「俺も、もうこれ以上は広子との関係を続けんのは無理だろう、って前々から思ってた。
歪みが大きくなって行くのも、目に見えて分かっていたし」


「…うん」


私とナツキの関係は、初めから終わりに向かい進んでいただけなのかもしれない。


初めから、歪んでいた。


「どうせ終わらせるなら、
一切の未練も情もお互い残らない方がいいだろって思ったから」


「だから、あのクリスマスの日」


「ほら?どうせお前の事だから、
終りが中途半端だったら、
困った事が有ったらすぐにまた俺に頼って来そうだし」


そう言われ、 まさにそうなのかもしれないと思った。


佐藤雲雀に山に置き去りにされた時も、
一瞬はナツキに頼る事も頭に過ったから。


そして、私はナツキに色々な事を話しているから、
どうやったら私がナツキを嫌いになるかよく分かっていると思う。


以前、須田の異常な迄の私に対する執着が怖い事をナツキに相談した事も有ったし、
中で出されたりとか、そうやって扱われる事に私がどれだけ傷付くか分かっている。


「だけど、もしあれで私が妊娠していたらどうしてたの?」


それを思い出すと、生理が来る迄のあの不安が甦り、ナツキに対して許せない気持ちが湧く。




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