LOVEPAIN⑥



「これ、すげえクソ不味いじゃねぇか」


篤は私のあげたチョコレートを、食べている。


「そうですか?」


まあ、バレンタインデー当日の午後の売れ残りのチョコレートだからな。


一応、百貨店の人気の洋菓子屋で買ったのだけど。


「噛んだら、中からドロッとなんか出てくんだけど、それがすげえ不味い」


篤は本当に不味いのか、そのチョコレートを咀嚼しながら、顔を歪めている。


「なら、食べなくていいですよ?」


甘い物嫌いなのは元々聞いていたし、
付き合えた今、チョコレートはもうどうでもいい。


「うっせぇ。
お前がくれたから食うに決まってんだろが」


その言葉に、胸がまたキュンとしてしまった。


「つーか、俺が甘い物嫌いなの知ってて、
なんでこんな30個入りとか大容量のやつ買ってくんだよ」


その商品、5個入りと、その30個入りが売れ残ってあったのだけど、

なんとなく、大は小を兼ねる的な感じで選んでしまった。


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