LOVEPAIN⑥
撮影が始まる。


私はベッドの上、上半身裸の5人の男の人に囲まれている。


年齢は全員20代だと思われる。


その人達は、私という獲物をニヤニヤといやらしい笑みを浮かべ見て来る。


多分だけど、この人達は素人だと思う。


プロの男優さん達では、ないと思う。



その人達の手には、手錠やロープや、大人のおもちゃだといわれる物が握られている。


今まで味わった事のない、この撮影の危険な雰囲気。


私に向く、カメラを見る。


そのレンズの向こう、篤は私を見ているのだろうか?


この撮影の後、篤はまだ私を変わらず好きでいてくれるのだろうか?



「そろそろカメラ回そうか」


金村監督のその言葉で、撮影が始まったのが分かった。


その男の一人が、背後から私に抱きついて来た。

思わず、悲鳴を上げそうになる。


衣装のブラウスの上から、その男は私の胸に触り出す。


他の4人も、私を取り囲みそれを楽しむように眺めている。


怖い―――…


自分の呼吸が、荒くなるのが分かる。


ダメだ、このままだとまた発作が起こる。

< 487 / 501 >

この作品をシェア

pagetop