殺人感染2
好きなこと
「そろそろ、今後のことを相談してみない?」


俺にそう声をかけてきたのは桜丘施設の先生だった。


先生は50代後半で、シワが刻まれ頭には白髪が混ざっている。


でもその顔はとても穏やかで優しいものだった。


中庭のベンチに座っていた俺は先生が来たことで背筋を伸ばした。


今日はとてもいい天気でこのまま眠ってしまいそうになっていたときだった。


「今後のこと、ですか?」


「えぇ。このままなにもしないで過ごすことはできないでしょう? 学校に入り直すか、通信学校に通うか、どちらかがいいと思う。でももし仕事がしたいって言うなら、それもいいと思うわよ?」


先生の言葉に俺は戸惑った。


俺が隣町のこの施設にやってきてから一ヶ月が経過する。


もともと暮らしていた町では殺人感染が起こり、人が次々に死んでいった。


思い出すとこめかみが痛くなる。


それはある日突然訪れた。


右耳に星型のアザが出現した生徒たちが、見境なく人を殺し始めたのだ。


そのアザは30分で倍の人数に感染することがわかった。


アザができた生徒を監禁していようが、接触していなかろうが関係はない。


そんな中で俺と彼女の遥は逃げ惑ってきたのだ。
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