殺人感染2
妹さん
それから俺は施設には戻らず、24時間営業のネットカフェに入った。


スマホを確認してみると施設からの連絡が10件ほど入っている。


その時、見計らったかのように施設から電話がかかってきた。


一瞬迷ってから、電話に出た。


「はい」


『あ、お前なにしてんだよ!』


それは同室の大谷の声で思わず胸をなでおろす。


先生にこっぴどく怒られると思っていた。


「悪い。ちょっとやらなきゃいけないことがあったんだ」


『はぁ? なんだよそれ! 夜中に抜け出してまでやることなのか!?』


「そうなんだよ。絶対に、今やらなきゃいけないことなんだ」


キッパリと言い切ると、大谷は驚いたのか言葉を切った。


そして『今日はどうするんだ?』と、質問を変えてきた。


「今日も帰れない。いや、すべてが解決するまで帰れないかもしれない」


その覚悟で昨日の夜施設を抜け出してきたのだ。


『そうか。本気なんだな?』


「あぁ。もちろんだ」


俺は相手が見えていないのに力強くうなづく。


『わかった。それなら先生には適当に説明しとく』


その言葉に胸に溢れる気持ちがあった。


泣いてしまいそうになり、グッと目に力をこめて涙を押し込めた。


「あぁ。悪いな」


『その代わり、無事に戻ってこいよ』


「……わかった」
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