俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
そして、あっという間に1週間が過ぎ……。
サッカー部の定休日の放課後。
「みーつき!」
俺はカバンを持って、新川さんと一緒に帰ろうとしている美月に声をかけた。
「美月、急で悪いんだけど。このあと時間ある? ちょっと俺に付き合って欲しいんだけど」
そう言って、俺はカバンの中から単行本を3冊取り出す。
「図書館にこの本を返すついでに、別の本も借りたいから、一緒に来てくれねぇ?」
2週間ほど前に俺は、読書をしようと市立図書館で本を借りた。
「朝陽くん、確か漫画しか読まないって言ってたのに、ついに小説を読むようになったの?」
う。ストレートに聞いてくる奴。
「この前、前島から本を借りただろ?
読んだら意外と面白くて。それで読書に目覚めたっていうか。最近ハマったんだよな」
最初は、美月に気がある前島に対抗するために本を借りて読み始めたけど……。
読んだら本当に面白くて、気づいたら夢中になってて。本のページを捲る手が止まらなくなっていた。
それで、他にも色々と読んでみたいと思うようになった。
今まで本といえば、漫画しか読まなかった、活字嫌いのこの俺が。自分でもびっくりだ。
まぁ一番は、美月が好きな読書を、俺も好きになりたいと思ったのがきっかけとして、かなり大きいけど。