俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


朝陽くんと図書館を出ると、まだ雨が降っていた。


「美月、傘に入れよ。駅まで一緒に行こ」

「ありがとう」


私は朝陽くんと一緒に、図書館から駅まで、2度目の相合傘をした。


2人が入るには狭い傘の中、朝陽くんとの距離の近さに相変わらずドキドキした。


* * *


図書館を出るときには小雨だったが、駅に着く頃には雨足が強くなっていた。


「朝陽くん、今日はありがとう。楽しかったよ」

「それは、こっちのセリフ。ありがとな」


私はどんよりとした空を見上げる。


傘を持っていないから、雨……今から電車に乗って、家の最寄り駅に着く頃には止むと良いな。


「それじゃあ、また明日ね」


朝陽くんに声をかけて、私は駅の改札口へと向かおうとしたとき……。


「待てよ、美月!」


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