俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「……ねぇ、古賀さんいるかな?」


え、王子様。今、私の名前を言った?


それと同時に、女子の視線が一斉にこちらへと向く。

うぅ……注目されるの嫌なのに。


「あ! 古賀さん。いたいた」

一之瀬くんが周りの女子をかき分けて、私のほうへと歩いて来る。


うそ!? こっちに来るの?


「みっちゃん。一之瀬くんの邪魔しちゃ悪いから、あたし帰るね」


そう言って、七星が自席へと戻っていく。


え!? ちょっと……!


七星がいなくなったら、一之瀬くんと2人になるじゃない。そんなの気まずいって!


1人になった私は、慌てて文庫本を開く。


< 21 / 341 >

この作品をシェア

pagetop