俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


──ガシッ!


私は一之瀬くんに、腕を掴まれてしまった。


「成宮、悪いけど……」


私は、一之瀬くんのほうへぐいっと引き寄せられる。


「俺、今日は美月と帰るから」


えっ?


「どうして? じみつきなら、さっき断ってたでしょう?」

「成宮……じみつき、じゃなくて」

「え?」

「この子の名前、みつき だから。『じ』はつけなくていい。じゃあな」

「……ちっ!」


成宮さん今、舌打ちした!? しかもめっちゃ怖い顔で、私を睨みつけてるんだけど。



「美月、行くぞ!」

私は一之瀬くんに腕を掴まれたまま、引っ張られていく。


「ちょっ……一之瀬くん! 私、一緒に帰るって言ってな……」

「美月は今日、俺と帰るって決まってんの」


はぁ!?


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