きっと100年先も残る恋
4コマ目の授業が終わった頃、雄介から連絡が入った。

「裏門の駐車場で待ってる」

今朝、思い出したように雄介から「今日、仕事と学校終わったらドライブ行こう」と言われた。

雄介はお父さんの所有してるベンツのSUVをたまに借りているのは知っていたけど、こうしてドライブするのは初めて。

恵麻と別れて裏門に向かう。

裏門脇の駐車場に一際目を引く車が停まっていた。
基本的にうちの学生が停めるとこだけど、女子大に通う学生が運転しそうもないやつ。

運転席を覗いてコンコンとする。
眼鏡をかけた雄介が少し驚いた後、私を見て笑う。

クルリと車の周りを回って助手席に乗り込む。

「この車、すごく目立ってるよ」

そう言うと、「女子大じゃ浮くよね」と雄介が声出して笑った。

「なんかこうやって会うの、初めてかもね」
「私、ドライブ初めてだよ」

目が合う。

「そうだっけ、そっか」

雄介が顎を指でツンツンして納得する。

「これ雄介パパのでしょ?」
「これ俺の」

そう言って悪ふざけしてる小学生みたいに笑う。

「はいはい」と言って頭を撫でた。

「じゃあ行くかー」

やっと私たちを乗せた車が動き出した。


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