きっと100年先も残る恋
2月の後半、ちょうど空気が澄んでいて、富士山がきれいに見えた。

今まで開いたことなかったのに、ダメだと思いつつも雄介のSNSを開いてしまった。

一面にいろんな雄介の顔がズラリと並ぶ。
私の知らない人だ、と思った。

今日の投稿。
「富士山がきれい。今日も撮影です。」と私が見ているのとまるで同じような富士山の写真が載っていた。

そしてスライドした二枚目の彼の笑顔の写真を見て、ハッとする。

私たち、全然ダメじゃん。
きっと雄介も私も、全然切れてない。

私は、部屋を出た。

部屋を出て、ただまっすぐ、まっすぐに歩いて向かう。
家から一番近い、小さな橋の上。

ゆっくりと水面を見下ろす。

私の頬を伝った涙が5mくらいの高さをまっすぐ落ちていく。
そして静かに吸い込まれていった。

私は深呼吸をして、首元に手を掛ける。

「ありがとう」

手のひらから零れ落ちるように、それはゆっくりゆっくり下降して溶けるように水面に消えた。

私はずっと付けっぱなしだったネックレスをやっと川に捨てた。
< 75 / 75 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:5

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

あの夏の夜の続きは今夜

総文字数/18,249

恋愛(純愛)37ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
18歳の夏の夜に置いてきたはずの恋が10年後また動き出す
大学生をレンタルしてみた

総文字数/27,345

恋愛(純愛)56ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
レンタル彼氏で出逢った私たち。お金だけの関係のはずが・・?
たゆたう、三角関係

総文字数/24,642

恋愛(純愛)54ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
新しい恋の相手は元カレの友達でした。 自由を手にした私たちのいびつな恋の始まり。 川面にたゆたう恋の行方。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop