蒼春
『あー、急にびっくりしたよね?ごめんね〜。男バスっていつもあんな感じなのよ。』

1人のマネージャーらしき先輩が教えてくれた。



この学校には3大イケメンと言われる人たちがいるらしい。

そのうちの1人が男バスの秋元先輩という人らしい。

その先輩が指を指した方を見ると、いかにもバスケが上手そうなさわやかなイケメンがいた。

確かに、あれはかっこいいかも…。まぁ、私のタイプではないけれど。

そしてさっきから歓声をあげているのが、いわゆる秋元先輩のファンらしい。

うん、納得。

『その噂、私も聞いたことあります。確かあとのイケメン2人はバレー部にいるんですよね?』

雪ちゃんがいうと先輩が驚いている。

『え、そんなに有名なの?!』

『はい、私は去年文化祭に来たときに知り合いに聞きました。』

私はびっくりした。え、そんなこと聞いてない…。

兄よ、なぜ教えてくれなかったのだ。

…私が唯一知ってる情報なんて、兄の学年に鈴木が4人もいることだけだぞ。


『乃蒼、そろそろ時間だから他の部活見に行こっか。』

『そうだね、体験させてくれてありがとうございました。』



そのあと吹奏楽部に行って少し楽器を触って今日は下校した。


水曜日は茶道部、軽音など色々見て回った。

しかし私にはどの部活もしっくりこなかった。

雪ちゃんは料理部を見て、入ると心を決めたらしい。


その夜、夜ご飯をみんなで食べていると兄が急に話しかけてきた。

「そういえば乃蒼ー、何部に入るのか決めたのか?てか、見学してるのか?」

『まだ決めてないよ。見学もしてるけど、なんで?』
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