蒼春
一ノ瀬先輩と徳島先輩がニヤニヤしながら蓮を見る。

蓮は、泣きそうだ…。

何やってんだ、この人は…。


確かに、4ヶ月前くらいに騒いでいた気がするけど…。

「蒼生、早くやろうぜ!俺、今回もやらかす気しかしない…。」

『はぁ、蓮…。しっかりしてよ!授業聞いてないの?』

私が呆れながら聞くと、徳島先輩も呆れながら言った。

『こいつが授業中起きてるわけないのよ。びっくりするほど大爆睡。』

あ、ですよね〜。

「まあ、俺と徳島がちゃんと教えてあげるから頑張ろーよ。」

「あぁ、神様、蒼生様、徳島様!よろしくお願いします!」

こんな兄を見たくはなかった。

「あ、どうせなら乃蒼も一緒にやる?お前もわからないとこ教えてもらえ!」

蓮が思い付いたようにそう言った。

『え?』

思わずびっくりする。

『私がいても邪魔なだけじゃん。』

「心配すんなって。2人とも教えるのすげー上手いから。」

私の言葉を聞いてないな、こいつ。

『そうね。どうせなら一緒にやろ?蒼生もいいでしょ?』

徳島先輩が一ノ瀬先輩に聞く。

「うん、もちろん。」

「じゃ、そーゆーことで!乃蒼、着替えたら俺の部屋こいよ?」

…とう言うことで4人でやることになってしまった。

私の心臓持つかな…?


着替えて蓮の部屋に向かうと

「お、やっと来た。お前の席そこな。」

と蓮に言われた。

その指がさし示す席を見ると…

まさかの一ノ瀬先輩の横。

「あ、乃蒼ちゃん。おいでー。」
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