ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。

ハッキリさせた方がいいんです

 ハッと目を覚ますと松田のベットの上に私はいた。
 おかしい……、誠と居酒屋に居たはずなのに、まさか夢か? と思うが自分からお酒の匂いがしてやはり現実だと思い知らされる。

(まさか私潰れちゃった!?)

 バッとベットから降り、急いでリビングに向かうとソファーに一人座っている松田がいた。

「あ、あのっ、松田君っ! もしかして私……」

「あ、気がつきました? 真紀って一回寝ちゃうとなかなか起きないですよね」

 ハハハと笑いながらこちらに向かって歩いてきた松田はギュッと私を抱きしめて「好きだよ」と呟いた。なんだかいつもより元気のない松田に違和感を感じた。

「ごめんなさいっ、私誠さんと、その、飲んでて、まさか寝ちゃうなんてっ、あ! お金は!? 支払いはどうなってる!? まさか誠さんが払ってくれた……?」

「誠が払ってくれましたよ」

「あーやっちゃった……明日にでも直ぐに返さないとな」

「真紀なら会計の事凄く気にすると思うって誠と話してましたよ、明日俺と一緒に返しに行きましょう」

 更にグッと私を抱きしめる松田の腕の力が強くなる。もしかして、いや勘違いかも知れないが誠と何かあったのかも知れない。
 私は松田の背中に手を回し優しく何度も撫でた。
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