ここは会社なので求愛禁止です! 素直になれないアラサー女子は年下男子にトロトロに溺愛されてます。
 そんなことを考えながら仕事をしていたからか小さなミス。パソコンが固まってしまった。

「あ〜やっちゃったぁ」

「水野さんどうかしました?」

「ん、なんかどっか変なところ触ったのかパソコン固まっちゃって」

 松田はスッと立ち上がり私の背中の真後ろに立つ。「ちょっと見ますよ」と言うとパソコンを弄り始めた。

(せ、背中……顔も近すぎるっ、これって漫画とかでよくある光景じゃない……)

 まさか自分にもこんな漫画みたいな出来事が起きるとは思いもしていなかった。過剰に反応すると松田と思うツボだと思い、背中に感じる松田の熱や、喋るたびに耳や頬に当たる吐息を必死で堪え平然を装う。

「ん、これでエンター押せば大丈夫」

「あ、ありがとう」

「俺パソコンは強いんですよ、また何かあったら言ってくださいね」

「頼もしいわね」

「後でお礼下さいね」

「は!? あげないわよ!」

「可愛い」

「も、もう!!!」
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