強面お巡りさんはギャルを愛しすぎている

 ガングロの彼女はいくら名前を聞いても頑なに教えてはくれなかった。でも俺に懐いてよく家に遊びに来ていた。勉強は教えるまでもなくできて、飲み込みが早い。元々賢い子だというのもわかった。
 もっと早く助けてあげれば、彼女は明るい道を歩けていたのだろうか。頭を撫でると嬉しそうにする彼女は妹のようだった。一人っ子だった俺は、妹が居たらこんな感じなのだろうかとそれなりに彼女との時間を楽しんでいた。

 しかし突然彼女は姿を消した。彼女が中心だったギャルサークルは解散し、渋谷からガングロギャル達が消えて行った。
 以前、補導した佐藤真理亜というギャルにサークルの代表の話を聞くと消えた彼女は雑誌のモデルをしていると言っていた。
 勤務後、俺は書店に立ち寄り雑誌コーナーに向かった。場違いだと理解しつつも、煌びやかな女性向けファッション誌コーナーに立ちギラついた表紙のギャル雑誌を手に取った。数ページ捲ると彼女が載っていた。
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