俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う
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「んっ、快……こんな……気持ちいいのはじめて」

「だろ? 俺もだよ、芽衣」

ぼんやりと薄く目を開けると、真横で寝そべる快は感じ入った表情で微笑んでいた。

(まさかこんな極楽が待ってるなんて。快を信じてきてよかった)

パリからのたったの三時間でモロッコに到着。
その足で、私たちは快が予約してくれていた高級邸宅リヤドにやってきた。
リヤドはモロッコの伝統建築をヨーロッパ風に改装した高級ホテルで、一室がスイートルーム並みの広さをもつ。
最大の特徴はそれぞれの部屋に豪華なバスタブか完備されていること……で。


『ハイ、じゃあ仰向けになってくださいね』

ぽんと肩を叩かれ、マッサージ師のお姉さんの言う通りにする。
そう、私たちはスパを楽しんでいる真っ最中なのだ。

(今度の社員旅行はモロッコでもいいなぁ、雑貨屋さんも多いし♪)

「……芽衣。今、仕事のこと考えてただろ」

「ええ!? そんなのとっくに忘れちゃってたけどなぁ~?」

イタズラっぽく笑う快に、私は苦笑いをこぼす。

(なんでこの人、こんなに人の気持ち読めちゃうの? エスパー?)



――そして数時間後。

『終わりましたよ。あとはご自由になさってください』

マッサージのお姉さんたちはそう言って、バスルームから出て行った。

「……自由、か」

2人きりになった途端、快は前髪をかき上げ、妖しく微笑む。

(えっ……きゃあっ!?)
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