隣の席の一条くん。
「でも、こうして机くっつけたら、いっしょに見れるでしょ?」

「わざわざそんなことしなくていいのに。…変なの、花宮さん」


腕を枕にしながら、眠たそうな表情の一条くんが呟いた。


なにも、変なことはしていない。

ただ、国語の教科書を忘れた隣の人に、自分の教科書を見せてあげてるだけ。


…でも、なんだかちょっと嬉しかったり。


なぜなら、――昨日。
< 45 / 316 >

この作品をシェア

pagetop