これを愛というなら~SS集~
正月のブライダルフェアで、社長に結婚宣言してくれた陽介さん。

1年後の料理長と梓の送別会で、社員全員の前でも結婚宣言してくて、、、

極一部しか知らなかった私たちの関係を知った皆の驚いた顔は、今になって思い出しても愉快だったわ。

長い間、耐えて耐えて隠し通した甲斐があった。


それから、数ヶ月後に籍を入れて私はーー浅尾 利香になったんだけど。

仕事中は、紛らわしいから旧姓を使っている。


そして、待ちに待った衣装サロンのチーフに抜擢されて、多忙な日々ながらも幸せに満たされた毎日。

やっぱり、愛する人を仕事でもプライベートでも影で支えられるって、最高の幸せよね。


でもさ、私の小さい頃からの夢は叶えたくて………


「落ち着いたら、家族と親族と親しい人だけ呼んで、実家の神社で式を挙げたい! 」


思いきって陽介さんに話してみると、いいよ、と。

利香の夢は何でも叶えてやるって言ってくれて、自分で見立てた真っ白な白無垢を着て。

南ちゃんの為ならって飛んで来てくれた山田さんに、ヘアメイクと着付けをして貰って。

陽介さんは紺色の五つ紋の紋付き袴姿。

溜め息が出るくらい、蓮くんに負けないくらい素敵!!


来てくれた梓は、薄い桃色の訪問着がよく似合ってる。

桃色が相変わらず可愛い梓の顔を、引き立てて。

蓮くんだって、黒のスーツ姿に梓に合わせただろう、ピンクにシルバーのストライプ柄のネクタイがよく似合ってる。

本当に、いつ見ても…ーこの二人が寄り添ってる立ち姿は絵になるわね。


おめでとう、と言ってくれた二人に。

お互いに今よりもっと幸せになろうね、と。

いつの日か子供も交えて遊ぼうね。

今もこれからも変わらずに、二人が大好きだよ。


俺も二人が大好きだからな、と満面の笑顔で言っていた陽介さん。


その日から数年後ーーー。

蓮くんと梓の三つ子ちゃんと、陽介さんと私の愛息と愛娘と遊園地へ。

楽しかった。

幸せだった。

ずっとずっとーーー何年経っても、この友情も続いていく。



~END~
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