シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「貴方に嫌われるのが嫌で触れることを躊躇っていたんです。……大切だから側にいたい。大事だからすぐに手を出さない。貴方にはわかりませんか?」

「わ、わかりません」


今ので、はっきりとわかってしまった。

如月先輩は私のことが本当に大好きなんだってこと。


こういうの、なんていうんだろ……?


そうだ、溺愛。今の言葉は、しっくりくる。


「わからないのに、どうしてソッポを向くんですか? わざとわからないフリをして、僕の気を引こうとしている。……貴方は本当に可愛くて仕方ない人ですね」

「……!?」


背を向けているのに、かすかに触れられている感覚がする。

チラッと後ろを見ると、私の髪にキスをしている如月先輩の姿があった。
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