シンデレラは堅物会長の専属モデルになるようです
「生徒会長としてじゃなく、如月紅蓮として君を歓迎する。どんなに忙しくても悠が来てくれたら悠優先にするつもりだから」

「それは嬉しいですけど.......。でも、生徒会長の仕事のほうを優先してくださいね?」


不意にかけられた言葉に心がキュンってなる。


みんなは多分知らない。

こんなにも優しい紅蓮先輩の姿を。


「悠がそういうなら努力する。だけど悠は僕にとって好きすぎる対象だから.......」

「待って、くださいっ!」


「?」

「ダメです!これから会長としての仕事があるんでしょう!?」


顎クイされ、キスを迫ってくる紅蓮先輩をギリギリのところで止めた。


「……嫌がられるとさらにいじめたくなる」

「えぇ!?」


それってどういうこと?


「好きな人に意地悪したくなる男の子と同じだよ。悠には僕の気持ちがわからない?」

「わからないです。それよりもいいんで……んっ!?」


「……うん。これで満足した」

「そ、それは良かったですね」


結局、力に勝てず紅蓮先輩のキスを受け入れる形となってしまった。

そのあと、頭を優しく撫でられた。
< 60 / 311 >

この作品をシェア

pagetop