求められて、満たされた
13.愛歌
「デビュー曲作り直す。」
「はあ?お前、期日いつまでか分かってんのか?」
「2週間後でしょ?それまでにレコーディング終わらせてないといけない。知ってるよ。」
「じゃあ今から作り直すとか無理に決まってんだろ!」
朝から事務所の中には私と俊介の言い合う声が響き渡る。
事務所の人達はもう私たちの言い合いには慣れたようで呆れたように笑っている。
「別に今進めてる曲でいいじゃん。いい曲だと俺は思ってる。」
「ダメ。作り直す。」
「何でだよ。」
「納得行かない。だから作り直す。それだけ。」
私がそう言うと俊介は大げさにため息をつく。
「なあ、奈生。何がそんなに納得行かないんだ?」
「全部。全部納得いかない。期日には間に合わせるから。」
私はそう言い残し事務所を出た。
正直なところ、すごく悩んでいた。
曲の方向性は決まっていたけれど、いざそれを形にした時どうも思うように表現しきれていない。
作り直すのももう何度目だろう。
そろそろ完成させないと本当にやばい。
「…はあ。」
ため息がこぼれる。
さっきは俊介にため息をつかれたけれど、ため息をつきたいのはこっちの方だ。
私は俊介のように音楽の経験が豊富なわけではない。
技術も知識も豊富で、出来る俊介にはデビュー前の素人の私の気持ちなんて分かってくれないんだ。
「はあ?お前、期日いつまでか分かってんのか?」
「2週間後でしょ?それまでにレコーディング終わらせてないといけない。知ってるよ。」
「じゃあ今から作り直すとか無理に決まってんだろ!」
朝から事務所の中には私と俊介の言い合う声が響き渡る。
事務所の人達はもう私たちの言い合いには慣れたようで呆れたように笑っている。
「別に今進めてる曲でいいじゃん。いい曲だと俺は思ってる。」
「ダメ。作り直す。」
「何でだよ。」
「納得行かない。だから作り直す。それだけ。」
私がそう言うと俊介は大げさにため息をつく。
「なあ、奈生。何がそんなに納得行かないんだ?」
「全部。全部納得いかない。期日には間に合わせるから。」
私はそう言い残し事務所を出た。
正直なところ、すごく悩んでいた。
曲の方向性は決まっていたけれど、いざそれを形にした時どうも思うように表現しきれていない。
作り直すのももう何度目だろう。
そろそろ完成させないと本当にやばい。
「…はあ。」
ため息がこぼれる。
さっきは俊介にため息をつかれたけれど、ため息をつきたいのはこっちの方だ。
私は俊介のように音楽の経験が豊富なわけではない。
技術も知識も豊富で、出来る俊介にはデビュー前の素人の私の気持ちなんて分かってくれないんだ。