1分で読める初恋短編集
4:その行為
 目の前にいる時は、ナオトのことを見ていられない。
 でも、人混みを見るとナオトがいるかもしれないと思って、探してしまう。
 こんなことはずっとなかった。

「こんな行為に名前を付けるとしたら、どんなものになる?」

 その質問に、ユウは笑いながら答えてくれた。

「それってもうあるよ。『初恋』って名前で」

 そう言われた時から、私はナオトの顔が一層見れなくなったけど、遠くからはずっと見つめられるようになった。
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