大好きなキミを、守りたいから。

「ほら、俺は母親は神宮萌香のマネージャーって言ったろ?だから時々そいつの話してくるんだ…萌香ちゃんはね〜困ってる人とかにすっごく優しくて、女性としてかっこいいから大好きだって。けど、時々自分に自信が無くなる時があるからもっと自分に自信持っていいのにね…って」


そんなお母さんの話をしてる男の人の顔はさっきの怖くて絶望感に溢れた目とは違い、愛おしくて…大好きってことが全面に溢れ出てた


「…そっか……そんなこと言ってくれてたんだ…」


「だから、俺も最初はただの交通事故で死んだ。悪いのは母親を引いた運転手だ。って思い込んでたんだけど、段々と…その……萌香って人が悪いって思いになっちゃって…」


その人は気まづそうに言いながら、ごめん!と思いっきり頭を下げて謝る


「まあ〜許してやってもいいけど、手出すのはさすがに…」


「ちょっと流星!」


それまで黙って聞いてた流星が意地悪な顔でどうしよっかな〜みたいな顔をしてる


「まあ…そうだよな……強引にキスなんかしちゃったもんな…」


流星の言葉にしょぼんとして言う男の人を見ながら私は、その人の名前を聞いてなかったことに気づく


「…そういえば、あなたなんて言うの?」


私の言葉にその人もはっとし、


「そういえば、名乗ってなかったな…岡田大樹です」


ほんとに数分前の先程とは打って変わって優しい顔で教えてくれた


なんだ…本当はいい人だったんだね




「叶美〜!!!!!」

「叶美ちゃん!!!」

「川野さん!!!」



お互いに自己紹介をし合ってると、ドアの方から何故か大人数で私を呼ぶ声が聞こえてドアの方を振り返ると…


「お前ら…」


流星が苦笑いしながらボソッと呟く



「叶美ちゃん、大丈夫だった?」


「えっ…??」


「流星くんがね、叶美ちゃんと叶翔くんを助けよって言ったから私達も来たんだよ!」


「そうだったの?」


ひとりの女の子の言葉に私は流星の方を見ると、流星は照れてるのか顔がそっぽを向いていた


「ほんと、大変だったんだからな!」


「叶美と叶翔を救出するぞ大作戦!」


「でも、上手くいったからいいんじゃね?」



桧山の周りにいる男子達が私たちの傍にやってきてそんなことを愚痴りだした


にしても……


「救出するぞ大作戦…???」


「なんだそれ?」


男子に囲まれてる桧山もなんのことか分からないといった様子で同じように尋ねる


「あ〜…これは……お前らが入学式終わって2週間後すぐにトラブル起こすから、みんなに手伝ってもらった」


はああああああああああ!?!?!?



そんな呑気に答えてる場合じゃないわよ!流星!!!!!
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