家出少女は不器用王子と恋をする。
ほんの少しだけでも仁坂の影に縋り付く。

昨日のことを思い出してまた涙がこぼれてくた。

いつから私、こんなに弱くなったんだろう。

朝食は美味しかったけど、寂しかった。

1人で食べることなんて慣れていたはずなのに。

シンクに仁坂が使ったはずの食器はなく、綺麗に片付けてあった。

私の、役目・・・・・。
だってそれは私がっ・・・私がやらないと・・・・・。

そりゃ仁坂は私が来る前は1人で生活できていた。
皿洗いぐらいできるに決まっている。

私の居る意味がっ・・・・・・。

でも仁坂が1人で生活していけるということだけで私の存在価値のようなものが大きく揺らいだ。


なんだ私、要らないんじゃん・・・・・・。


仁坂は喧嘩しても尚自分の役目を果たしてくれているのに、私は出来ていない。

何よりもそれが私を不安にさせる。

その後洗濯を済ませ、フラフラとした重い足取りで学校へと向かった。






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