家出少女は不器用王子と恋をする。
こういうのにも慣れなきゃならないんだろうけど、当分無理そうだ。

それでも私はこの時間を噛み締める。

「ねぇ偲」
「な、何?」
「今俺といられて幸せ?」

こんな聞き方ずるい。

そんなの1つに決まってるじゃん。

「うん・・・!!」

私は満面の笑みでそう答えた。

「颯、私を拾ってくれてありがとう!」

颯がいたから私は幸せになれた。

言葉じゃなかなか伝わらないから、私は思い切って颯にキスをした。


大好きという気持ちをたくさん込めて・・・──────。


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