家出少女は不器用王子と恋をする。
「途方に暮れてるの。行く宛てもないから、そのうち死ぬの。・・・苦しむのは嫌だからその前に自殺するかもだけど」
最期だから隠そうともせずありのままを話して顔を上げると、仁坂は言えず悲しそうな顔になっていた。
「いきなりすぎてびっくりしたよね、ごめんね」
私は力なく笑った。
仁坂は何か考える素振りを見せたあと、いつもより優しい声で私にこう告げた。
「だったらさ、家においでよ」
「・・・え?」
仁坂のまさかの発言に私は言葉が詰まる。
「いい、の?」
「うん。おいで?」
私と仁坂の目が合った。
冷えた心に少しずつ温かさが戻ってくる。
仁坂はこれが当たり前だと言うように、ただ私にそう提案してくれた。
仁坂の差し出した手を、私は縋り付くようにゆっくりと握った。
仁坂はそれを握り返す。
その手は何よりも心強かった。
最期だから隠そうともせずありのままを話して顔を上げると、仁坂は言えず悲しそうな顔になっていた。
「いきなりすぎてびっくりしたよね、ごめんね」
私は力なく笑った。
仁坂は何か考える素振りを見せたあと、いつもより優しい声で私にこう告げた。
「だったらさ、家においでよ」
「・・・え?」
仁坂のまさかの発言に私は言葉が詰まる。
「いい、の?」
「うん。おいで?」
私と仁坂の目が合った。
冷えた心に少しずつ温かさが戻ってくる。
仁坂はこれが当たり前だと言うように、ただ私にそう提案してくれた。
仁坂の差し出した手を、私は縋り付くようにゆっくりと握った。
仁坂はそれを握り返す。
その手は何よりも心強かった。