家出少女は不器用王子と恋をする。
俺(仁坂颯)は偲に見送られ、迎えの車に乗りタワーマンションを後にした。
外の景色を流れながら偲のことを思い出す。

にしても今日の偲も可愛すぎた。

もはや狂気。怖い。

歯止めが効かなすぎてていい加減ヤバいってのは分かってる。

けど仕方なくない?

偲が可愛すぎるのが悪いんじゃん。

割と俺男子高校生として正常な反応してると思うけど?

運転手に悟られぬようニヤケないようにするのも正直きつい。

偲め、俺の純情を弄びやがって・・・。

そう百面相している間に学校へとたどり着いた。
ドアに開けてもらい外に出ると、女子特有の黄色い声が響く。

自分で言うのもなんだが俺はモテる方だと思う。

親は金持ちだし、容姿も成績もいい方、運動も人並にできる。
少女漫画に出てくるヒーローそのもの。

好きでそうなったわけじゃないけど。
当てはまりすぎて癪なんだけど。

そんなもんでよく女子からは告白される。
でもどれも俺の見た目やスペック目的。
中にはお金目的や俺の彼女というポジション目的で告白してくる奴もいる。

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