コインの約束

和己先生が私に向かって和真の病状を話し始めて。

「芽衣ちゃん、今日は和真と約束があったんだよね。こんなことになってしまって、ごめんね」

「いえ、そんなこと。和真は、どうなんですか?」

「右足を骨折してて、インプラントを入れてね。インプラントって、要はボルトのことなんだけど。それは数か月で治ると思うんだ」

「良かった。良かったです」

「他に問題があって。腰も負傷してね。こっちの方が重傷で。ある程度の段階でリハビリまで行けるならいいんだけど。下手したら下半身に麻痺が残るかもしれないんだよ」

「麻痺、ですか?それって治らないんですか?和真はどうなっちゃうの?」

すると和己先生の代わりにお父さんが話し始めて。

「芽衣ちゃん、和真はもしかしたら一生車いすの生活になるかもしれないんだ」

「そんな、そんなことって。どうにかならないんですか?どうしたら元の元気な和真に戻れるの?」

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