コインの約束
「ね、和真。後ろにいる部活の人たち、和真を見て大騒ぎしてるよ?」
「あー、いいの。アイツらのことは無視して」
『すげー、今の見たか?和真が女の子に手を振ってたぞ。しかも誘ってなかったか?』
『やべーな、和真。なんだアイツ、ツンデレってやつか?』
『あの子、可愛いな。和真にはもったいなくないか?』
色々と聞こえてくる。
とっても恥ずかしい。
やっぱ帰ろうかな。私は体育館へ行こうと歩いていた足を止めた。
「ん?どうした、芽衣?もしかして、気分が悪い?どこか涼しいところに行く?」
どうして、いつも和真は私の体を心配してくれるんだろう。
私なら元気なのに。
「大丈夫、だよ。体育館の2階ね。一人で行けるから大丈夫。和真の練習、観てるね」
ここで帰るって言ったら和真は練習を抜けて一緒に帰りそうな気がして、私は練習を見学することにした。